数字に強い子に育てる方法。算数が嫌いにならないようにする

このページでは、「数字に強い子に育てる方法」について解説します。

数字に弱いよりは、強いにこしたことはない
子どもを持つ親なら誰しも思うことではないでしょうか?

15年の個別指導の経験をふまえてお話をさせていただきます。

数字に強い子に育てるには

一番重要なのは、小学生の段階で「算数が嫌い」「算数が苦手」
子どもに感じさせないことです。

極端にいえば、これだけ。

「算数が大好き!」「算数が得意」までもっていければ良いのですが
中学生になるまでにマイナスのイメージを作らなければOK

ポイントは3つあります。

  • 無理に算数ばかり勉強させない
  • 失敗させない
  • 言葉に気をつける

無理に算数ばかり勉強させない

数学で苦労した保護者ほど、子どもに無理に算数を勉強させがちです。

難しい問題集を解かせて、算数嫌いにしてしまいます。

本人が楽しんで勉強してるなら良いですが、親の都合で強制的に勉強させるのはNGです。

一度、算数が嫌いになってしまうと、中学や高校からの勉強が大変になります。

学校の授業が分かる・分からないの問題以前に、聞く耳を持たなくなりますので。

失敗させない


「失敗させない」とは、テストで悪い点をとらせない
ということです。

さきほど、「無理に算数ばかり勉強させない」と話しましたが、勉強させなくて良い
ということではありません。

家庭学習では予習はいりません。

授業の復習を中心にし、学校のテストに照準をあわせて勉強させてください。

小学校の算数は、教科書とドリルの反復演習をきちんとしてれば、それほどひどい点数はとらないようにできてます。

ただ、家庭学習を全然しない子だと、テストでも点がとれないケースが多いです。

小学1年生から、親が主導権をもって、子どもを導く必要があります。
テストで良い点がとれれば、やる気、モチベーションも続きます。

学校のテスト以外で「失敗させない」についてお話をさせていただきます。

注意してほしい「中学受験」


受験問題は、教科書とドリルの反復演習では厳しい問題がたくさんでます。

抽象的な概念を利用する問題です。

子どもの脳が直感的思考から抽象的な概念にも対応できるようになるには
時間がかかります。

しかも脳の発達には個人差があります。

中学受験といえば小学3年の後半から小4初期から
対策をはじめる人が多いです。

ただ、この時点では抽象的な概念に対応できてない子もいます。

小4後半から小5初期でも、まだ厳しい子もいます。

そんな子に、無理に受験勉強をさせてしまうと
本人がいくら頑張っても脳がついてこれませんので
問題の意味はわからないし、とけません。

その結果、自分は算数が苦手、算数は大嫌い
という原因になりかねません。

子どもが小3や小4から、中学受験を検討する場合は
脳の発達具合も視野にいれながら行動してください。

言葉に気をつける

大人が何気なく発した一言が、子どもの脳にいつまでも残ってしまうことがあります。

そのせいで、算数が嫌い、苦手になることもあります。

例えば、テストの点が悪かった子に「女の子は算数が苦手だからね」と一般論を言ってしまうことです。

なぐさめのつもりの一言が、本人の頭から離れず「算数で点がとれなくても自分は悪くないんだ」とずーと思い込んでしまうことがあります。

人間の思考、行動パターンは、子どものころの環境に左右されます。
特に親の呪縛は大きいのです。

教科書の徹底指導、数の大小&概算の訓練

ポイントは3つあります。

  • 算数の教科書をパーフェクトに理解させる
  • 数の大小を常にイメージさせる
  • 概算で考えて、抽象化の練習をする

算数の教科書をパーフェクトに理解させる

数字に強い子に育てる=難しい問題をとかせる

ではありません。

前述の通り、抽象的概念を使いこなせるには時間がかかりますし
個人差があります。

極端にいえば、本格的な勉強は中学からでも遅くはないのです。

そのために必要なのは、基礎力の徹底と気持ちです。

基礎は学校から配布されてる教科書に全てのってます。

これを全て完璧にマスターさせれば問題ありません。

少なくとも中学生になった時点で、「算数が嫌いじゃない」ぐらいであってくれればokです。
あとは本人のやる気しだいです。

数の大小を常にイメージさせる

算数を教えたり、日常会話で数字の話がでたら
「イメージ」を大切にしてください。

例えば、数字の数え方を教えるにしても
「いち、に、さん、」

と念仏のようにとなえさせたり
ひらがなや数字を音読させるだけはNGです。

「いち」とは何なのかをイメージできるものと、セットで教えるのです。

次の例として、小学5年で学習する「分数」をあげてみます。

1/2 と 1/3

ではどちらが大きいのかを常に考えさせる
大小のイメージが描けるまで指導します。

分母をそろえて

3/6 と 2/6

にして大小関係をイメージさせるのがステップ1

次に、同じ長さのものを【2等分した1個】と【3等分した1個】
比較して、1/2のほうが大きいとイメージさせる練習をします。

これがステップ2

実際は、ステップ1止まりの人が多いです。なぜなら、それでことたりるから。

ステップ2で考えるのは面倒です。

頭のなかで考えるだけなので、長さも正確には描けませんからね。

ただ、あえて挑戦し続けるんです。

学校のテストでは、分母をそろえて考えさせれば良いです。
ふだんは、大小のイメージトレーニングもやらせてみてください。

すると、思考力、地頭力がついてきます。

概算で考えて、抽象化の練習をする

細かく考えることは重要です。

でも、一番良いのはミクロとマクロの視点を両方もつことです。

数字で考える場合も同じです。

例えば、財布のなかに500円あるとします。

  • 101円の消しゴムを1個
  • 64円の鉛筆を4本
  • 100円の赤ペンを1本

↑これらを、予算で買えるかどうかを
子どもが店内で考えるとします。

※税込み価格とします。

考え方は2通りあります。

方法1:計算で合計金額をだす

101+(64×4)+100=457

この方法が一番確実ですが、店内で計算できるかは状況しだい。

 

そろばんを習ってる子なら、電卓なしで正確に合計金額を出すことが
できると思います。

今でも、そろばん教室は人気がありますから、計算を得意にしたい
という保護者のニーズを反映してるといえます。

早く正確に計算できることは大事です。

ただ、ここで言いたいのは、物事を抽象化して考える能力を鍛えるには
別のアプローチ法も教えておくべきです。

方法2:概算で考える

  • 101円は100円として考える
  • 64円は60円として考える
  • 100円はそのまま100円として考える

60円の鉛筆を4本買うので240円必要です
(6×4ができれば暗算可能)

100円の消しゴムと100円の赤ペンで合計200円

これらを足すと合計440円です。

500円ありますので、60円余分にあることがわかります。

この時点で「買える」と判断してもよいですが

心配な子なら、ざっくり計算にした分を
みなおしても良いでしょう。

64円を60円として計算してますので
鉛筆1本あたり4円少なく見積もってます。

それが4本ですから
4円×6本=24円だけ安く見積もってます。

101円を100円として計算してますので
消しゴムを1円安く見積もってます。

鉛筆と消しゴムで合計25円安く見積もってるわけです。

ざっくり計算では60円余裕がありますので
25円高くなっても予算内におさまります。

よって購入可能という判断ができます。

数字をざっくり考える機会を作ってあげてください。

概算で考えるということは、物事を抽象化して考える練習になります。

コメント

  1. 岡田 より:

    母親が算数・数学に強いからと言って、子供が算数・数学に強くなることはありません。親が、職業として、電気、機械、土木、化学工学などの仕事をしていて、仕事の中で数学を使っている人ならば、子供の相談相手になるでしょう。
    算数・数学は、ちょうどお城の石垣を築くときに、石大きさを考えながら下から順番に積み上げるように、必要なことをひとつづつ確かなものにしていかなければ、使いこなすことはできない学問、授業なのです。数学の知識のどれ一つとっても、学び落とすことはできないのです。小学校で学ぶべきもの、中学校で学ぶべきもの、それらはどれも省略できません。

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