【社会科】定期テストの勉強法。子どもの点数が気になる保護者へ

中学生の子どもがいる保護者向けに、社会科の定期テスト対策について解説します。

 

このページでは、定期テストで確実に点数をとるための勉強法をお伝えします。

「1日15分で簡単に!」という魔法はありませんが、個別指導15年間の体験から有効だったものをご紹介します。

社会科の定期テスト勉強のポイント

事前にテスト範囲の全内容をチェック(ざっくりでok)

勉強⇒小テスト(アウトプット)を繰り返す

この2点を守れば、塾に行かなくても90点以上とれます。

 

社会科は誰もが高得点をとれるチャンスがあります。

これはピラミッド型(前学年の内容まで含めた理解が必要になる)の英数にはない特徴です。

 

ただ、目標点が高いほど1点をとるための手間暇が増えるのが社会科

そういう意味では90~100点を維持するのが難しい教科でもあります。

逆に英数は基本をマスターすれば高得点を維持するのは、社会科よりも楽だと感じてます。

 

これから話す内容は、「テスト勉強」の大枠です。

テスト何週間前、社会科に使える時間は○○時間
という設定なしで話しますので、抽象度が高くなることをご了承ください。

ふだんの家庭学習で社会科もきちんとやってる子供には、無理にやらせる方法ではないということも先にお伝えしておきます。

ただ、家庭学習をしてるのに点数が上がらない子に関しては、どこかに改善の余地があります。
そのさい、これから話す学習法を参考にしていたくのはアリかと思います。

「勉強」の間に「小テスト」をはさむ

社会科の定期テスト対策は、「勉強⇒小テスト⇒勉強⇒小テスト」と繰り返すことが重要です。

しかし、多くの子どもが、定期テストまでに「勉強」だけをくり返して、思ったほど得点できなかったと悔しがってます。

 

たしかに前日だけなら、この勉強法でも効果は期待できます。

ただ、テストまで2日、1週間と、期間が長くなると、この勉強法の有効性は薄れていきます。(=テストまでに忘れる、もしくはテスト当日に思い出せない可能性が高くなる)

 

定期テストまで1ヶ月~2週間ある場合は、勉強だけでなく、小テストをあいだにはさむと記憶の定着が格段に上がります↑

 

勉強だけをくり返してる子に足りないのは、「脳にある情報を検索する練習」です。

定期テストでは、子どもが記憶した通りに出題されません。

記憶として積み上げてきたブロックの中から、回答に必要な情報だけを検索、答えを出さないといけません。

この練習を事前にやっておかないと、覚えたはずの情報が、テストで使いものになりません。

 

食料をテキトーに冷蔵庫に保存するだけでは、使い勝手が悪いと思います。

よく使うものは手前や取り出しやすい位置に。中になにが入ってるかが把握できてる。

こういう状態でないと、賞味期限内に使い切れない食品もでてきますよね?

情報の丸暗記はできたけれども、知識とし記憶できなかったということです。

とはいえ、丸暗記だけでも、ある程度の点数(75点ぐらい)はとれるのが社会科です。

 

つまり、英数で4や5をとれる子が、社会科で75点程度であれば、このパターンです。

勉強法を少し変えれば、80点や90点をねらえます。

英数で4や5をとれてる子で、社会が75点は低いとも言えます。

 

ここまでは、暗記は得意だけれども点数につながってない人の話しでした。

 

いっぽう「勉強しても、なかなか暗記できない」と悩んでる子も多いです。

暗記できないのに、小テスト(アウトプット)しても意味がない、逆に自信を失うのではないか?と不安になる保護者もおられるかもしれません。

結論から言いますと、暗記が不得意でも小テストはやるべきです。

 

人間は、「あれ、何だったけ?」と脳に検索をかけるだけでも、記憶の定着にプラスに運ぶことが分かってます。

たしかに、勉強したのに覚えてないと凹む子もいます。

しかし、そこを気にせず、小テストをやらないと、いつまでも点数は伸びません。

なぜなら、人間の記憶のメカニズム上、さけられないからです。

脳は、生命にかかわるものを最優先に記憶します。

熱いやかんを触るとやけどすると、生命にかかわるので、記憶されます。

しかし、社会科の知識は、生命にかかわらないので、なかなか覚えようとしません。

なので、思い出そうと脳にプレッシャーをかけないと、いつまでも記憶されないのです。

つまり、覚えてない自分と正面から向き合う姿勢こそ、暗記が不得な子がやるべきことなのです。

けして難しい作業や勉強を要求してるのではなく、今の自分を素直に受け入れることが必要なのです。

 

今のお子さんの点数はさておき、社会科のテスト勉強は「勉強⇒小テスト⇒勉強⇒小テスト」を繰り返すことが重要だとご記憶いただければと思います。

小テスト(アウトプット)とは

ここで言う小テストとは、「問題を解く」と「授業をする」の2つが効果的です。

 

「問題を解く」では、

・自分で問題を作る

・学校で渡されたプリント、ワークを解く

・市販の教科書準拠問題集を解く

・塾や通信教育の教材を解く

という方法があります。

学校のワーク、プリント演習

お子さんの点数に関係なく、「学校で渡されたプリント、ワークを解く」は必ずやらせてください。

同じ問題がテストにでる可能性もあるので、授業で使われた教材を徹底的にやることが重要です。

ココをおろそかにして、塾で渡されたプリントなど別教材ばかりをやるのが愚の骨頂です。

 

ポイントは問題ばかりを解いても意味がないということです。

小テストとは、積み上げた記憶のブロックから、必要な情報をとりだす、検索の演習です。

脳に検索をかけることで、ただの情報が使える知識に変わります。

 

自分で問題を作る

「自分で問題を作る」は、学校の先生が作るレベルでなくてokです。

例えば、「西郷隆盛」を勉強したとします。

これを思い出すためのヒントを文章にして、復習するのです。

 

「勝海舟と話し合って江戸での戦争を止めた人はだれ」

でも良いでしょうし、

「薩摩藩の有名な人はだれ」でもokです。

 

薩摩藩の有名な人では、大久保利通などもいるのでマズイと思うかもしれませんが

これはあくまでも、自分が記憶に残すための問題なので細かいことは気にしなくて良いです。
テスト形式に近い問題は、前述した学校のワークやプリントで演習させます。

 

自分で問題をつくるときは、時間をかけずにノートや教科書を参考にさせます。

子どものわからない言葉でまとめさせても記憶のフックにはなりません。

大事なのは、脳に記憶されてる言葉にひっかかる問題を作ることです。

教科書の文章を一字一句覚えてる人なら、難しい言葉で問題を作っても良いです。

しかし、ほとんどの子が、そうではなく自分の言葉で記憶してます(これは大人も同じ)

自分の言葉でまとめさせてください。

同じ用語でも、複数の視点から問題が出題されます。

なので同一用語でもフックは多いにこしたことはありません。

西郷隆盛を例にすれば、「江戸無血開城の立役者」「薩摩藩出身」だけでなく

 

「明治維新の中心的な人だったが征韓論がきっかけで政府を去った人」

「西南戦争の中心人物」

など「西郷隆盛」が答えになる自分の問題を作っておくと安心です。

 

どこまで突っ込むかは、今の成績や目標点できめると良いです。

50点以下の子なら、問題作りはできる範囲でかまいません。

 

問題を作ることが勉強だと勘違いすると、この勉強法はムダになります。

あくまでも記憶のフックを強化するためのものなので、時間をかけすぎないようにしてください。

 

複数の問題を作成し、西郷隆盛の情報が脳にインプットされたら逆問題に挑戦するのもアリです。

 

つまり「西郷隆盛といえば?」という問題を作成して、「薩摩藩出身」「江戸無血開城」「征韓論」「西南戦争」がスラスラいえるかを脳に検索させるのです。

さまさまな視点から検索させることで、テストでどんな問題がでても対応できるまで強化します。

中学社会科の教科書のさくいんページ

教科書の後ろにある「さくいん」を利用させてください。

その用語が教科書の何ページにでてるかが分かります。

大人になって一人で勉強することになった場合、さくいんで検索できないと不利なので
子どものうちからトレーニングさせましょう。

中学社会科の用語集

ちなみに、本気で100点をねらうなら、用語集を買い与えるのもアリです。

中学社会科用語をひとつひとつわかりやすく。の西郷隆盛の説明部分

例えば「西郷隆盛」の項目を確認すると、テストにでる用語も含めてのまとめが掲載されてます。

教科書だと時系列に掲載されてるので、西郷隆盛はとびとびに登場しますが、用語集を使うと一気にまとめてくれてるので便利です。

複数の自作問題が定着したときに、解答になる用語の要約をやってみて、その模範解答として用語集を使うと効率が良いです。

・自分で作る問題は「ノート」か「カード」にまとめる

 

自分で作る問題は、ノートを見開きにして左に問題、右に答え
という形式で作る方法と

カードの裏表を利用してる作る方法

がおすすめです。

 

なかでも、カード式が一番のオススメ。

なぜなら、コンパクトかつシャッフルできるからです。

 

学校のテストは、さまざまな視点から出題されるので

問題をシャッフルして、順番を常にかえて練習したほうが効果的です。

(ただし最初のうちはシャッフルさせないほうが良いです)

さらにカードであれば、今日覚える分として

必要な分だけ選んでポケットにいれ、いつでもどこでも勉強できるという利点があります。

ただし、管理がだらしない子にやらせると、カードを紛失するので
そういう場合はノートのほうが無難かもしれません。

カードは百均でうってます。

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英単語を覚えるときに使うリングでとめてるカードではなく、名刺サイズの情報カードがおすすめです。(いろいろ書けるので)

 

誰かに教えるつもりで、一人授業をやってみる

小テストとして問題演習について説明してきましたが、さいごに「授業をする」についてふれます。

これは、自分が学校の先生になったつもりで授業をするという勉強法です。

人に教えるという行為は、そう簡単にできることではありません。

スポーツの一流プレーヤーが、監督として必ずしも大成しないと同じです。

「できる」と「教えられる」は必ずしも一致しないのです。

 

授業ができるということは、使える知識としてインプットされてるということです。

はじめから、この状態にいる人はいません。

なので学校の先生の真似を何度もして、自分の頭にある知識に検索をかけながら
授業をするのです。

何度も繰り返すと、教科書やノートをみなくても、紙と鉛筆があれば、そこに先生と同じような板書や話し方ができるようになります。

80点以下が目標であれば、このような勉強法は必要ありませんが、90点、100点をねらうならぜひトライしてみてほしいです。

効果抜群なのですが、いかんせん時間がかかります。社会科ばかりにも時間をかけるわけにもいかないと思います。

テスト勉強にかけられる時間を計算しつつ、必要に応じて利用してみてください。

 

社会科のテスト勉強。ノート作りに時間をかけない

「小テスト」の具体的な勉強法についての話は終わりました。

 

では「勉強」の部分はどのようにやるのか?

教科書を読んだり、学校のノートをまとめ直すなどの勉強法が一般的かと思います。

 

「勉強」で重要なのは、時間をムダにしないことです。

女の子に特に多いのが、ノートにきれいにまとめ直す作業に時間をかけすぎることです。

まとめることで、頭に情報が整理されることはありえまずが、きれいにまとめることが勉強だと勘違いしないようにしてください。

「勉強」でのポイントは

・簡潔にまとめられたものを確認する

子どもにやらせてしまうと、余分な情報までノートにまとめてしまうので時間のロスになります。

 

おすすめは「教科書トレーニング」のまとめを勉強に利用することです。

教科書に準拠しており、かつムダなく簡潔にまとめられてます。

特に矢印を利用して歴史の流れをイメージさせようとしてるのでオススメです。

地理、公民も「教科書トレーニング」が良いです。

 

まとめ以外に、予想問題、一問一答、通常の問題、全てがそろってますので
コストパフォーマンスはずば抜けて良いです。

どの成績の子にもおすすめできる1冊です。

【中学社会科の問題集】保護者が買うなら教科書トレーニング

 

社会科のテスト勉強をはじめる前に。全体像を確認させる

社会科のテスト勉強は「勉強⇒小テスト⇒勉強⇒小テスト」というお話をしました。

さいごに、この前段階の話しをします。

 

それは、テスト勉強をするまえに、ざっくり全体をおさえてしまうということです。

 

「ガンガンいこうぜ!」と目の前の敵を倒すのではなく、まずは地図をひろげて
ゴールまでのイメージを作るのです。

このあたりは、迷子になりそうだから、非常食を多くしておこう
など前もって準備をしておくのです。

勉強は、このようにうまくいきませんが、それでも全体をみておくこと
プラスになることは多いです。

 

全体をみるには、テスト範囲の教科書を読み込むことが一番ですが
なかなか耐えられる子も少ないと思います。

それに変えて

・マンガでテスト範囲をざっくり確認する

・テスト範囲の予想問題を解かせてみる

・授業動画を先に見てしまう

という方法があります。3つともやる必要はありません。

 

マンガで定期テストの範囲をざっくり確認する

「まんが攻略BON!」シリーズ 学研

・中学歴史 上巻 改訂版
・中学歴史 下巻 改訂版

・中学地理 改訂版

・中学公民 改訂版

 

事前テスト(予想問題)

テスト範囲の予想問題は、ゴールをイメージさせるためです。

こういうことが聞かれるんだなと、理解させるのです。

この場合、ゼロ点でもかまいません。

何点とれるかをはかるものでもないし、間違えた部分の解説もいりません。

どういうことがテストで聞かれるかが軽く記憶にのこれば良いだけです。

事前にテストしておくことで、該当部分にかんする勉強にはいったときに、

ここは予想問題にでてた部分だから、ちゃんと勉強しよう!

という気にさえなってくれれば良いです。

 

事前テストをやるかやらないかで記憶の定着度に関するアップ比率はそこまで高くないです。
ただ10%前後はあがると思うので、やって損はありません。

 

※事前テストは、『教科書トレーニング』の予想問題を利用すると良いです

 

授業動画

授業動画とは、スタディサプリで社会科の範囲の授業を先に見てしまうのです。

 

授業動画が向いてる子は、社会が嫌いな子、もしくは好きな子です。

スタディサプリは、テストにでる部分を分かりやすく教えてくれます。

講師の伊藤賀一さんの語り口調はとてもおもしろいです。

学校の先生とは違った位置から勉強を教えてくれるので、勉強が嫌いな子でも
抵抗感なく話がきけます。

 

成績が4の子は、伊藤先生の授業をマネて、ひとり授業をすると力がつきます。

まとめ

社会科は、手間暇をおしまなければ、高得点をねらえる教科です。

ただ90点取れてる子が100点をねらうとするならば、

社会科にかかる労力を別の教科にさいたほうが、総合的には内申点が上がる可能性もあります。

つまり90点とっても、100点とっても成績は5の可能性が高いからです。

それなら成績が4ついてる教科を5にするためにテスト勉強したほうが良いこともある
という意味合いです。

 

どちらも上げるなら、少なくとも定期テスト1ヶ月前から、社会科の学習をはじめる。

もしくはふだんから社会科を勉強することをおすすめします。

成績が2~3の子は、「マンガと教科書トレーニング」もしくは「スタディサプリと教科書トレーニング」を組み合わせると勉強しやすいと思います。

 

成績が1の子は、提出点がとれてるかを面談で確認してください。学校の先生もできるだけ1はつけたいと思ってません。

なにか理由があるはずなので、その分析を最優先してください。

 

成績が4の子は、ここが限界だとあきらめてることが多いので、それは違うということを強く伝えていただきたいです。

いい意味でも悪い意味でも、効率的にスマートに勉強したがる傾向があります。(それが5の子との最大の違い)

もちろん5をとれる子と比較して、時間あたりの習得できる知識量は少ない、、という能力差があることも事実。

ただ、時間や労力をかければ定期テストのように範囲が決まってれば、5がもらえる基準点まで上げることは、そう難しいことではありません。

やるかやらないかです。

 

どの成績でも学校の授業で使用したノートやプリント、(配布されてれば)ワークのチェックを忘れないでください。

これらの教材をテスト勉強の最初から必ず使用しなくても良いですが、最終的には確認が済んでる状態でテストを受けさせてください。

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