何ごとも最初が肝心といいますが、中学1年生にとって4月の過ごし方は重要です。
今回は、子どもの勉強が気になる保護者に向けて、どのような姿勢で取り組むべきかを解説します。
15年間の個別指導講師の体験をふまえて、「戦略」と「戦術」にわけてお話をさせていただきます。
中1の勉強法『戦略編』
教科の予習、復習などの勉強法の話に入るまえに、方向性を共有しましょう。
ゴールは3年後の高校入試で、第一志望校に合格させること。
このために、どういう行動をとればよいのかを考えていきます。
※正確は、高校入試まで3年ありません。
中3の12月で決まると思ってください。3月ではなく12月、担任の先生との最終面談でどこを受けると決めるかです。
ここに焦点をあわせておかないと、時間切れで志望校を1ランクダウンさせることになります。
部活はどうする?
中学といえば、「部活はどうしようかな?」と悩んでる方も多いでしょう。
わたしは「本人が望むなら、やらせてほしい」と考えてます。
これは体育系、文化系に関係なくです。
理由は3つあります。
(1)勉強の部活で中学生活のバランスがとれる
部活は誰かに強制さえてやるものではありません。
基本的には「好きなこと」を選択してるはずです。
「第一志望校合格!」と3年間、緊張したまま勉強はできません。
受験は長期戦なので、メリハリが必要です。
部活をやることで、精神的なバランスを保つ効果が期待できます。
(2)高校入試に有利
高校入試は当日点と内申点できまります。
部活を3年間続けたという記録は受験する高校にも届きます。
(3)自制心と育てるから
ひとりで勉強できる子が、最後には勝ちます。
塾に行こうかいくまいが、最後は己との戦いです。
これは高校受験だけでなく、大学入試も同じです。
「ひとりで勉強できる」という能力は、大人になってからも重要です。
よい大学にはいって、よい会社がにはいってで人生安泰という時代ではありません。
自分をバージョンアップさせる力がないと、AIに仕事を奪われてしまいます。
自制心と部活に関しては、以下のリンク先の記事に詳しく書きました。
興味のある人はチェックしてみてください。
あっという間に受験生になるので注意!
1日24時間は、変わらないのですが、中学3年間はあっと言う間に終わります。
子どもの入学式が昨日のように思えるぐらいにです。
まだ入学したばかりと油断してると、高校入試で遅れをとるので注意してください。
定期テストを中心に行動する
毎日「必勝」と書かれたはちまきをして、机にかじりつかせてください!
という話ではありません。
現時点で意識するのは「定期テスト」だけでかまいません。
定期テストで良い点数をとらせることが、内申点をあげるだけでなく、高校入試の当日点を高めることにつながります。
塾はどうする?
学習塾に通わせるかどうかを悩んでる保護者もおられるでしょう。
本人が「塾に行きたい」というなら検討の余地はありますが、それ以外は必要ありません。
最初が肝心とは言いましたが、「塾に通う=成績が必ず上がる」という図式はありませんので、必ず行かせる必要はないのです。「塾に通う=家庭学習する」とも必ずなりません。
それよりも重要なのは、子どもが家で勉強する、ひとりで勉強するという習慣を4月につけてあげるほうが100倍大事です。
必要であれば塾探しはいつでもできます。
でも自宅学習の習慣をつけてあげられるのは、今しかありません。
中1の夏休み、10月、12月、2月、、、と後になるほど、家で勉強させる習慣はつけにくくなります。
親に反抗する度合いもどんどん強くなります。
最重要教科は「数学」
高校入試の合否を大きく左右するのは「数学」です。
これは上位校をうける子ほど切実です。(他の教科では差がつきません)
中1の勉強法『4月の戦術』
・定期テストの日付をチェック
子どもの最初のテストの日付を、スケジュール帳にメモしておきましょう。
学校からプリントでお知らせはあると思いますが、何の連絡もないときは確認してください。子どもがプリントを家に持ってきてない可能性が高いです。
教科書の目次をコピー
教科書の目次は、定期テストの範囲予想や、子どもの理解度を確認するうえで、とても役立ちます。
スマホで写真をとる手もありますが、紙で残すほうが良いです。
なぜなら、書き込めるからです。
国語、数学、理科、社会、英語の5教科分の目次をコピーしておきましょう。
各教科の教材内容をチェックする
確認してほしいのは、教科書準拠のワーク、問題集が配布されてるかです。
練習問題をとかないと、テストの点数はあがりません。
じゃあ、なにをやらせれば良いのかといえば、教科書準拠の問題集です。
定期テストも高校入試も教科書からしかでません(私立高校は除く)
子どもの手元に練習問題があるのかどうかを確認してください。
それと解答がついてるかどうかも見ておいてください。
ワークの答えを先にわたしてしまう先生と、テスト週間になったら渡す先生がいます。
答えがないと、日常の勉強には使えませんので、なにかしらの問題集を準備する必要があります。
社会科に多いのですが、ワーク自体が配布されないこともあります。この場合も、なにかしらの問題集を準備する必要があります。
まずは、配布状況を把握してください。
4月の強化教科は『数学』
中学1年生といえば、英語が本格的に始まるので、そちらが中心になりがちです。
たしかに、軽くは扱えません。
でも、4月の英語はそれほど授業は難しくありません。
アルファベットの勉強からはじまり、あいさつや基本英単語の紹介などが中心です。
英語に限らず、どの教科も4月はスピードが遅いです。
これは中学の先生が、わざと遅くしてくれてるからです。
なのでゴールデンウィークが終わったとたんに、「急に授業が進むようになった!」と驚く生徒が続出します。
ある意味、勉強にゆとりがあるのが4月。この時期に取り組むべきは「数学」です。
小学校で習った算数をパワーアップさせたのが、数学です。
つまり、基礎が抜けてると、理解の妨げになるのです。
これは国英理社にはない特徴です。
学校の勉強は「ピラミッド型」と「パズル型」の2つにわけることができます。
ピラミッド型とは、各学年にならった学習内容を上に積み上げて理解していくタイプを指します。
具体的には「英語」と「数学」です。
ただ、英語は中学で本格スタートになります。いっぽう数学は、算数を理解してることを前提にすすめるので、学習レベルが高いのです。
小学算数の抜けをチェックする
4月は小学校の取りこぼしがないかを確認してください。
算数の総復習は、小6の3月にやるべきなのですが、できてない人も多いと思います。
全範囲をチェックするのが理想ですが、まずは1回目の定期テスト範囲に関係してきそうな内容を優先してください。
つまり、現時点では図形の復習は後回しにするということです。
なぜなら中1数学の図形は、教科書の奥にあるからです。(1回目のテスト範囲にはならない)
おすすめ教材!学年をまたいで復習しよう
前学年の知識のヌケを復習しながら、授業の予習&復習、定期テスト対策までok!
※小学生講座(4~6年)の内容も閲覧可能です。
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