「あいにく」「造作ない」・・・この言葉を知ってる小学生はそれほど多くはありません。中学受験をするなら知ってて当たり前なのですが。
今回は小学生の保護者にむけて、「なぜ語彙を増やす必要があるのか?」「どのように増やせばいいのか?」を解説します。
※子どもが中学受験するしないは関係ない前提とします。
小学生の語彙を増やすメリットとは?
本屋さんにいくと子供だけでなく、大人用の「語彙本」が目立つ場所においてあります。
それだけ、必要な人がいるということですね。
手にとってパラパラみると、こんな言葉は使わないよね。。。
と本を元の場所に戻す人も多いと思います。
四字熟語、慣用句、故事成語までくると、クイズ好きの人が覚えるぐらいにしか感じられないかもしれません。
では子供はどうでしょうか?
日常会話にさしつかえなければ、小学生には難しそうな言葉を覚えさせる必要があるのか?
ということです。
結論は、小学生のうちに覚えさせるべきです。(中学受験をしなくても)
なぜか?
簡単にいえば、言葉の精度が高いと得することが多いからです。
例えば「海の色」。
「青」しか知らない子と、別の言葉を知ってる子では差がでるということです。
間違いではありませんが「冬の日本海」と「沖縄の海」を同じ「青」でくくるのはやや厳しいと思いますよね?
言葉の精度を高めるということは、目の前にある海の色をより正確に認識するということです。
その認識が記憶になり子供たちの思い出になります。
さらに「夏休みに家族で海水浴に行きました~~~」という作文の表現力にも影響します。
小学生の思考力に差がでる
『言葉にできるは武器になる』という本がベストセラーになってます。
これは非言語を言語化できることの素晴らしさ、優位性が述べられてる素晴らしい本です。
わたしたちの脳には無数の情報がはいってきます。
なかには言葉にできない情報(非言語)も含まれてます。
せっかく入ってきた情報も、受け取る側が言葉に変換できないとスルーされます。
逆にいえば、非言語を言語化できる人は、考えるきっかけが増えるので深い思考ができるということ。
非言語を言語化するのが得意な企業があります。ご存知の方も多いであろう「リクルート」です。
就活市場だけなく、教育、婚活、車、、、さまざまな分野で活躍してますよね。
非言語を言語化させる訓練を小学生からやっておくことは、子供の将来の役にもたつのです。
考える力を育てるなら、保護者は子供に「なぜ」と発問することが重要です(答えを言うのではなく)
ただし、「発問」は、子供が問題を認識した時点で、するから効果があるのです。
どうして「1+1=2なの?」と子供が問題を認識する
それにたいして、保護者が答えをいわず「なぜだと思う?」と考えさせる。
これが子どもの思考力を鍛えるコツです。
ただし、「1」「=」「2」という語彙がないことには、問題を子供が認識することはないわけです。
今回はわかりやすくするために「1」とか「2」を語彙の例にしました。
実際は、語彙の本に掲載されてるものだと思ってください。
言語化のトレーニングをさせるなら、「気持ちをことばにできる魔法のノート」が子供に読みやすいのでオススメです。
最初に紹介した「言葉にできるは武器になる」と著者は同じで、梅田 悟司さんの本です。
「海の色=青」という子と、「鉛色」「エメラルドグリーン」も知ってる子の差とは?
海の色を「青」しか知らない子は、冬の日本海と沖縄の海の色の差に疑問をもつ可能性は低いです。
いっぽう、冬の日本海を「鉛色」、沖縄の海の色を「エメラルドグリーン」と思ってる子は、「なんで海の色は違うのかな」と気づくわけです。
もちろん両方の写真を並べられれば、色の語彙が少ない子でも
「なんで色が違うの?」と思うでしょう。
ただし、そういうシチュエーションが学校の授業でないかぎりナイわけです。
自分で「なぜ」と気づくには非言語(例でいえば「海の色」)を言語化できるほうが有利だということです。
この気づきは大人よりも、子どものうちに体験させたほうが良いです。
大人になると、忙しいし、お金にならないことをわざわざ考えるのは面倒という人さえでてきます。
純粋に「なぜ」と思える子供のうち、特に小学生に語彙を増やしておくのが良いです。
語彙を増やすのにおすすめの本
『マンガでわかる! 10才までに覚えたい言葉1000』
分厚いですが、マンガとクイズで構成されておりそれほど抵抗なく読むことができます。
自分の語彙力が少ないなと思ってる場合は、親子で読むと勉強になります。
子供の語彙力は親子の会話の影響もあり、つまるところ保護者の影響が大きいわけです。
美味しいご飯を「マジ、やばい」と親が会話で使えば、子供にもその程度の語彙力しか身につかないということです。