高校入試を控えた受験生がいる保護者向けの記事です。
中学1年と2年の総復習を、効率よくすすめる方法を紹介します。
個別指導塾15年の経験から、復習で一番重要な要素「タイミング」を中心に話します。
※これから話すのはテスト前の勉強法ではありません。
テスト範囲が配られる時期、多くの中学校は2週前だと思いますが、いわゆるテスト週間の勉強法ではありませんでご注意ください。
短期戦と長期戦の復習のやり方は違います。
目次
中学12年の総復習するための勉強法
理科の復習のやり方
理科は、他の教科と違い、出題形式がある程度きまってます。
教科書でポイントを確認したら、すぐ問題演習をしましょう。
はじめは解けない問題が多いかもしれませんが、凹まなくてok!
まずは、「繰り返す」を目標にしてください。
解説を読んでもわからない部分は、印をつけておきましょう。
大事なのは、解説を読んでもわからないときです。
わからないと、おもしろくありません。
とはいえ、何時間も「理科」だけに使えませんよね。
解説を読んで理解しようとすることは大事です。
しかし、完璧にこなそうとしなくてok!
読んでも理解できないのは、前提になる知識が不足してるからかもしれません。
わからない問題があっても飛ばして、勉強を続けるのです。
知識がふえるうちに、ある日、解説の意味を理解できるかもしれません。
学校の先生に質問にいける人は、聞きに行くのもアリです。
理科の詳しい勉強法は以下のページにまとめました。

英語の復習のやり方
中学英語の基礎は、単語と文法です。
この2つが未熟なまま、問題演習を繰り返しても成績はあがりません。
単語の覚え方
「単語の覚え方を教えてください」という質問が多いです。
なぜなら、短期間で覚えたことは忘れるのも早いからです。
それと、覚えようと強く思ってる人ほど、覚えられないとショックが大きくて勉強をやめてしまうから。
今日から、単語暗記の意識を変えてください。
短期間に集中してやるのではく、1日の勉強時間は短くてもよいので、とにかく毎日ふれること。
覚えようとすると、嫌な感じがするのですが、見たり声にだして読むだけで良い!とルールを変えると、気持ちも変わります。
いつか、覚えられるだろう~ぐらいの気長な気持ちでやったほうが長続きしますし、結果的に記憶に残ります。
具体的なやり方は、以下のリンク先ページにまとめました。
英語が全くできない中学生の3ステップ勉強法
英文法の勉強法
英文法は覚えるべきルールが多いです。
ひとつひとつは覚えられても、テストみたいに複数の文法が混ざると意味がわからなくなる。。。という子が多いです。
大事なのは、テストで使える形で脳に記憶することです。
とはいえ、英語は理科のように王道の問題ばかりではありません。
英文法のルールを、脳から取り出しやすいように整理整頓することが得点アップのポイントになります。
文法に自信がない場合は、以下のリンク先ページを参考にしてください。

単語と文法が、ある程度できてるなら、教科書準拠ではない問題集を1冊準備して、長文問題にトライしてみましょう。

社会の復習のやり方
社会は、教科書やノートを読むだけよりもテスト形式の復習をとりいれたほうが記憶されやすいです。
「聖徳太子が十七条の憲法を制定して役人の心構えを示した。
そして冠位十二階で家柄にとらわれずに能力のある者を役人にした」とノートや教科書で読むだけでなく、
「( )が( )を制定して役人の心構えを示した。そして( )で家柄にとらわれずに能力のある者を役人にした」
という感じでテスト形式の復習をするのです。理想は学校のテスト問題に近い形にすることです。
クイズ形式の復習が良い理由
「覚える」と「思い出す」は脳の動きが違います。
暗記カードを使って社会科の重要用語を全部暗記したにも関わらず点数がとれない子がいます。
そういう子どもに共通しているのは、答えを聞いたら知ってるものばかりだった、、、ということ。
つまり覚えることはできても、問題の答えを思い出せなかった、もしくは聞かれてる意味がわからなかったということです。
ふだんからテスト形式で復習、脳に負荷をかけて思い出すトレーニングをしましょう。
社会科の問題の作り方
- 教科書の太字が答えになる問題を作る
- 慣れてきたら、太字以外の用語を問題にする
- 重要用語を説明する問題を作る
- 学校のワークや配布されてるプリントを解く
(4)をやる理由は2つあります。ひとつは(1)~(3)の力だめし。
もうひとつの理由は、(1)~(3)ではカバーできない問題にふれるためです。
間違いノートを作り、自分の弱点をどんどん保存し、定期的に時間を作ってふれるようにしましょう。
数学の復習のやり方
「数学の成績は才能で決まるから嫌い」「勉強してもムダ」という中学生がいますが、安心してください。
数学は「センス」ではなく「目にした問題の数」で決まります。
「計算はさておき、関数や図形はひらめきが大事なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
ふだんの勉強で、どれだけ練習問題を解いてきたかがテストの点数に反映されるのです。
もちろん、全く同じ問題はでません(定期テストであればボーナス問題としてワークから同じ問題がでることはあるかもですが)
しかし、外見は別物に見えても、回答を導くまでの考え方や使う公式は同じものばかりです。
勉強時間を数学に全て使えるのであれば、中1の教科書やワークの問題を一からとき直すのが最高の復習のやり方です。
でも、実際は数学だけに時間はさけません。
何かしら工夫して効率性を上げないと、受験に間に合いません。
そこで、このページでは、できるだけ効率的に1,2年の復習が終わる方法をお伝えします。
数学の復習法1
数学の復習法2
※テキストに書き込まないこと
トレーニング3は、現時点では無理にやる必要はありません。
トレーニング1と2をやりながら苦手な単元を探してつぶすことに時間を使いましょう。
中1と中2の『教科書トレーニング』のトレーニング1と2が終わったら、トレーニング3に挑戦しましょう。
▲『教科書トレーニング』は教科書に沿った参考書&問題集です。
教科書のメーカーごとに分かれています。
購入前に学校で使用してる教科書のメーカーを調べておきましょう。
数学の復習法3
補助教材
解説を読んでも良くわからない場合、基本内容をかみくだいて教えてくれる教材を併用すると良いです。
ここでは2つの教材をご紹介します。
・まんが攻略BON!
まんが形式で、中1、中2数学の基本が学べます。
各方法のSTEP1の前に「まんが攻略BON!」で今日勉強する概要を先におさえてしまう使い方がオススメです。
・スタディサプリ
文字情報より音声や視覚のほうが理解しやすい子もいます。
そんな子にはリクルートの運営するスタディサプリが最適です。
有名講師のわかりやすい授業が、5教科見放題で月額1980円。
スマホだけでなく、タブレット、パソコンでも閲覧できます。
スタディサプリは小4~小6の授業動画も追加料金なしで見られます。
中学数学で苦戦している場合、小学校で習った内容を理解してない子もいます。
例えば反比例ができない子は、分数を理解していないケースがあります。
教科書やワーク、参考書だけで勉強するのは厳しい、
小学算数の理解度が怪しい子にはスタディサプリを補助教材にするのがオススメです。
復習する単元の選び方
中学1年、2年の総復習をいつやるかにもよりますが、学校の授業と並行したい場合は、
今学校で習ってる中3の単元にかかわる内容を、中1と中2から選ぶと良いです。
数学は積み上げ教科なので、前学年の内容が今の学年に必ず関わってきます。
例えば、中3で「二次関数」をならってるのであれば、中1の「比例・反比例」、中2の「一次関数」を復習すると効率よく進められます。
復習はいつやるの?今、、、じゃなくても良いかも
復習の仕方で一番大事なのはタイミングです。
いつ復習するのがテストで良い点数をとり成績を上げる効果が期待できるかということです。
復習のタイミングについてアンケートをとると、多くの人が「勉強した当日が良いと思う」と答えます。
※実際にやっているかどうかは別として、いつがいいと思いますか?という質問をしています。
たしかに勉強した内容をすぐ復習するほうが良いと思うのは当然です。
しかし数ヶ月先のテストで点数をとる前提だと話が違ってきます。
心理学でこんな実験結果があります。
勉強した直前に復習をするしないで1週間後のテストは雲泥の差が開いた。
今度は勉強からテストまでの期間を3週間後に変更しました。
そしたら復習をするしないに関わらず悲惨な点数という結果になったそうです。
つまり勉強した直後に復習をすると1週間後なら覚えているけど、3週間後では復習してない子どもと同じになってしまうということです。
じゃあ、いつやればいいの?と思いますよね。
復習日の決め方~入試までの残り期間を6で割る
仮に高校入試まで3ヶ月(180日)あるとしましょう。
その場合30日後に復習するのが一番エネルギー効率が良いと感じています。
ポイントはテストまでの残り期間を6で割った数字の後に第一回目の復習にとりかかるのです。
2回目の復習はテストまでの残り期間に対して等間隔になるように勉強スケジュールをたてます。
つまりテストまで残り180日間であれば1回目の復習が30日後、2回目以降は自由。
ここでは14日後と設定したとすれば、最初の勉強から44日後、1回目の復習から数えると14日後に2回目の復習をするのです。
ここで誤解のないように話しておきたいことがあります。
それは勉強した直後に復習することが悪いことではないということです。
やってはいけないと言いたいのではありません。
時間や精神的なエネルギーを効率よく使いたい子どもへのアドバイスとして話しています。
仮に勉強直後に復習をいれるなら、1週間後は大丈夫でも3週間後には忘れてしまう実験結果がありますから、その間に復習をいれると良いでしょう。
勉強して2週間後あたりに2回目の復習を設定すると良いかもしれません。
十分に理解できてない内容は直後に復習する
ここで紹介した復習のタイミングは学習内容を全て理解していることが前提です。
前の学習内容を理解してないと困る教科に対しては直後に復習したほうが良いです。
具体的にいえば英語と数学です。
直前の授業を理解してないと次の授業も分からない、、、となる可能性が高くなります。
学校の授業だけでだいたい理解できる子どもは上で話したようなスケジュールで問題ありませんが、先生の言っている意味がよく分からない場合は直後に、教科書や参考書を読んだり、分からない場合は先生に質問をしに行く必要があります。
※理科の中でも計算式を使う電気や天気など一部学習内容に関しては授業中に理解できない場合は数学同様に勉強直後の復習を推奨します。
直後に復習をした場合は、前述の通り2週間後あたりで復習を一度いれて、その後は等間隔で2回目、3回目の復習をいれると良いです。