子どもの寝る時間にかんして20時など厳しくルール設定している家庭とそうでないところがあります。親が子どものころには早く寝ろと言われたけど、今はそんな時代じゃないとも思うんだけど、、、と相談されることがあります。なので今回は子どもの睡眠と勉強について解説します。
まず結論からいえば子ども(特に小学生以下)は20時ごろの睡眠が一番体に負担がかからないのでおすすめです。
わたしが個別指導塾に15年間務めている間はお母さんから子どもの平熱を聞くようにしてました。特に小学生は風邪をひきやすいし、体調をくずしやすいです。授業中に顔色が悪いと思ったら熱があったということもしばしば。
でもですね、平熱って個人差ありますよね。35度や37度の子どももいます。ちょっと低すぎない?高すぎない?と感じる人もいるかもしれません。低体温や高体温の子ども珍しくありません。なので今の状態を正しく判断するために平熱をお母さんから聞いてたわけです。
平熱と睡眠と学力には100%ではありませんが関連性があります。夜寝るのが遅い子の多くは高体温や低体温です。自律神経の働きがよくないので一般的に平熱と思われる数値よりも高めや低めになるんですね。
自律神経の働きが悪いと授業中にボケーとしてしまことが多くなります。なかなか集中できませんので勉強させるのも一苦労という子どももいます。
勉強には関係ありませんが、きれやすい特長もあると言われてます。わたしはそういう子どもに会ったことはありませんが、学校では多いようです。キレやすい子どもは塾にいこうとしないのが原因かもしれません。
目次
なぜ小学生は20時に眠らせないとダメなの?
これから理由を話します。その前に言っておきたいのは家庭の事情で遅く寝かせるのがやむを得ない人たちを非難するつもりは一切ないということです。
仕事を終えてから保育園に迎えに行く家庭もあるでしょう。20時や21時にお母さんに手をひっぱられながら歩いてる親子をみかけます。子どもにご飯を食べさせるには働かなくてはなりません。そういうやむを得ないケースを除いた話として聞いてもらえればと思います。
昔から小学生以下は20時に寝なさいと言われてきました。これって何の根拠があるのか考えたことありますか?日本では戦前の習慣がそのまま残ってることありますから。例えば身体検査の座高をはかるやつ。あれは今は必須じゃなくなったんですけど、嫌だった人もいると思います。胴長短足なんて嫌ですもんね。でもですね、戦前は胴長短足は健康として兵隊として良条件とされたんです。その名残なんです。
20時に寝るのがなぜ良いのか?これは睡眠のメカニズムから説明できます。よく眠るためには「眠気」が必要です。布団に入ってもおめめパッチリでは寝られません。
メラトニンが分泌されるのは6時起床なら20時から
人間が眠気を感じるのはメラトニンという睡眠ホルモンが分泌されるからです。光を感じて14から16時間後に分泌されます。
子どもが6時起床だとすれば、それから14~16時間後の20時から22時の間にメラトニンが分泌されて続けるメカニズムになってます。ちなみに最初の2時間が特に眠気は強くなります。なので眠気の波にうまく乗らせるなら20時から21時の間がチャンスです。
人間は布団に入ってから急に寝ることはできません。ドラえもんののび太くんは数秒で昼寝モードに入りますが、実際にそんな子どもがいたら即病院で点滴うたないといけません。相当な疲労がたまってない限り、少ない時間でねつくことはできません。
目安は30分と考えてください。まとめるとメラトニンが分泌される20時から22時の間に眠ることは一番自然の流れであり、30分間はねつくのに必要。特に眠気が強くなるのは20時から21時の間。
22時ごろに寝る小学生も増えている
子どもの不眠症の問題は年々大きくなっています。小学生が寝るのは22時ごろが60%を超える地域もあります。
学習塾やピアノなどの習い事、サッカーや野球などのクラブチームに参加している子どもは寝るのが遅くなりがちです。ただし問題はそこだけではなく、子どもの遊び方に原因があります。
睡眠の深さは人間の体温と関係しています。同じ人間でも時間帯によって体温が微妙に変わります。体を動かすことで体温の調整機能が正常に動くようになっているのですが、スマホやゲームをいじって動かない生活ばかりすると体温調節機能が正常に動かなくなることもあります。
夜遅くに外を出歩くことになるクラブチームに参加している子どもでも睡眠は正常の場合も多いです(勉強はしないけど)家に帰ったらご飯を食べてお風呂に入ったらすぐ眠れる子が多いのです。体を動かしてるところがポイントです。
ということで昔から20時には布団に入りなさいと言われ続けてきたのは子どもに見せたくないテレビ番組が20時から始まるからではなかったということです。今はクレームが多い時代なのでテレビ局もずいぶ自主規制するようになりました。
なのでメラトニンが分泌されている時間を逃してしまうと、今度は逆に眠れなくなります。不眠症で悩む子どもも増えています。一度体内のメカニズムを壊すと戻すのに数ヶ月必要になります。夏休み、冬休みだからといってルールをゆるくすると後から修正するのが大変になりますので注意してください。