小中学生の子育てナビ

小学生、中学生の保護者向けに、学力を伸ばす方法、子どもへの接し方を解説します。勉強に親がどうかかわるべきか、家で勉強しない、家庭学習を習慣化させたい、朝起きなくて困ってる。個別指導塾15年間の経験から解決法を教えます

英単語を覚えようとしても海馬が「これいらん」と判断すれば忘れます。復習とは「いやいや大事なんで長期記憶に回してください」とアピールすることなんですよ。

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英語が不得意な中学生と話してみると「英単語の暗記が苦手」と言う子どもが多いです。


たしかに母国語ではない単語と日本語を組み合わせて覚えるのは大変ですよね。子どもたちと会話を続けると、記憶力は才能でありもはやどうしようもない、、、という悲観的であきらめていることが分かりました。


才能がないから暗記できないというのはウソであり、脳の仕組みを計算にいれた正しい暗記法があること、さらに努力は才能に打ち勝つこともできることについて記事にしました。


英語の成が伸び悩んでいる中学生のお子さんがいる保護者から伝えてもらえればと思います。もちろん悩んでる本人が読んでくれてもかまいません。

記憶には4段階ある


ここで「記憶」には4段階あることを確認しておきましょう。特に難しい話ではありません。自分の体験に照らし合わせてイメージしてください。

・レベル1:何となく覚えている程度の記憶

・レベル2:2択や3択問題レベルなら解答できる程度の記憶

・レベル3:テストなどで思い出そうと意識すれば解答できる程度の記憶。

・レベル4:思い出す作業を通さず自然に使える程度の記憶

見たことも聞いたこともない英単語を覚えるとして、最初の勉強ではレベル1もしくはレベル2で終わります。すでにしっている単語や知識と関連付けられれば最初の段階でレベル3にもっていけるかもしれません。

ただし(関連しているという)理解が必要になります。自分だけで単語帳を覚える場合、関連性をテキスト内で指摘していれば中学生だけでも気づけますが、そうじゃないと厳しいかもしれません。

テストや受験を想定した英単語の暗記ならばレベル4までは必要ありません。なのでレベル3の段階を目指して単語学習することになります。ちなみにテスト前の一夜漬けはレベル1やレベル2で終わるのがほとんど。すぐに忘れます。


記憶するには「思い出す作業」が必要


英単語を脳に長期的に記憶するには、「思い出す作業」が必要になります。英単語に限らず人間の記憶には脳にある海馬がかかわってきます。記憶の整理をする部分で、記憶に残すべき(=長期記憶する)かの取捨選択する部分です。


必要と判断されれば大脳皮質で長期記憶され、振るい落とされると記憶に残りません。

英単語を覚えるには海馬に「これは記憶しておこう」と判断してもらう必要があります。暗記作業をしてから約30日間が保存期間(短期記憶)だと思ってください。




根拠はエビングハウスの忘却曲線にあります。聞いたことがある人もいるかもしれません。

・20分後・・・58%
・1時間後・・56%
・1日後に・・74%
・1週間後・・77%
・1ヶ月後・・79%を忘れる


ということで30日間以内に海馬に「記憶に残すべき」と判断させることが必要です。この作業こそが復習です。


この復習の仕方が重要です。繰り返しになりますが、海馬に「保存する」と思わせないといけません。海馬は「間違えたもの、知らないもの」を優先的に記憶に残します。

ということは記憶に残したい英単語を「これは知らないものだ」と海馬に気づかせるのが復習でやるべきことだと分りますね。

海馬は「命にかかわる情報」を最優先する


脳の海馬にとって「英単語」は記憶すべき優先度としては超低いです!ここ重要。生命を脅かす情報を優先して大脳皮質にまわします。例えば毒キノコを食べたら死ぬとか、蜂に刺されたら死ぬかもしれないとか。

こう言ったら怒られるかもしれませんが、因数分解とか、日本の歴史とか、海馬にとってはどうでもいい話なんですよね。なので即ゴミ扱いです(汗)

なので学校で習うことは、強烈に海馬に「覚えないとヤバイんだよ!!!」とアピールしないとダメなんです。で、そのために復習というやつをやるわけです。



海馬(短期記憶)から大脳皮質(長期記憶)へ


復習といえば英単語帳をもう一度見直したり、音読したり、ノートに書いてみたりの作業をイメージされるかもしれません。

海馬の性質を考えるとテスト、クイズ形式の復習法が効果的です!テストやクイズがなぜ英単語の暗記に効果的かといえば、覚えている、覚えていないを明確にできるからです。



この作業が抜けると、子どもは勉強しただけで(覚えたぞ!と)満足してしまい、海馬は問題なし(記憶に残さなくていい)と錯覚してしまいます。


1回目の復習はテスト形式で全ての英単語のテストを行います。英作文を意識するならスペルまで書けるのが理想ですが、それ以外なら英単語の意味まで覚えられれば良いでしょう。

いずれにせよ最初のターンでは、英単語の意味を覚える段階がゴールでかまいません。

単語の意味を隠して「日本語が浮かぶかどうか」をテストしてください。覚えてな単語には色ペンで印をつけておきましょう。最後に正しい英単語の意味を確認しておきます。


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記憶したいなら繰り返すしかない


英単語を覚えるには「思い出す作業」を繰り返すしかありません。現行の中学校の学習指導要領では1,200程度の英単語の習得を目標にしています。

(ア) 1200語程度の語
3学年間に指導する語は,改訂前は「900 語程度までの語」としていたが,今回の改訂で「1200 語程度の語」とした。これは,語彙の充実を図り,授業時数が 105 時間から 140時間に増加されたことと相まって,一層幅広い言語活動ができるようにするためである。

「book=本」のように馴染みのある英単語であればすぐレベル3に到達するでしょうし、「dictionary=辞書」のようになかなか記憶できないものもあるでしょう。


英単語を暗記したいなら定期的に復習(思い出す作業)を行い、記憶に残すように海馬に伝える作業を繰り返すしかありません。

覚えにくい英単語でも復習を何回も繰り返せば、脳に定着するようになります。一度覚えれば忘れないという天才肌の子もいますが、ごく稀なパターンです。


「暗記は才能ではなく努力、継続力がものをいう作業である」と子どもに認識させないといけません。じゃないと「暗記力がないから無理」という感じで、自分には才能がないから英単語を覚えられないとあきらめてしまいます。


才能と努力が勝負したらどちらが勝つのかと真面目に考えた人がいます。結果だけ申し上げると「努力」が勝つそうです。これは長期的な戦いの場合のようですが、「粘り強さ×情熱=やり抜く力」が才能に勝てることを子どもに伝えるのは、親の大事な役目だと考えます。


以上、英単語を覚えようとしても海馬が「これいらん」と判断すれば忘れます。復習とは「いやいや大事なんで長期記憶に回してください」とアピールすることなんですよ。という話題でした。